Newsweekの衝撃

世界で最も有名な週刊誌の一つ、Newsweek(ニューズウィーク)。
言わずと知れた、アメリカの巨大週刊誌です。その歴史は80年以上。全世界に約2500万人の読者が居るとも言われています。

そのニューズウィークが、2012年12月を最後に、完全に電子版に移行しました。印刷物での広告収入が減ってきて、印刷費や物流コストに合わなくなってきたそうなんですが、印刷版がなくなるというのは、非常に衝撃的なニュースでした。

週刊誌は、広告収入と、冊子の販売によって成り立つビジネスモデルですが、ニューズウィークのような有名週刊誌においてさえ、印刷物での発行は、かなり厳しかったようです。

広告主は、紙媒体からWebへ、その基軸を移してきています。広告収入が入らないとなると、固定費としての印刷費が重くのしかかってきます。また、物流コストも負担増になります。

雑誌や週刊誌の広告媒体としての価値は、発行部数によるものが非常に大きいです。発行部数が少なく、読者も少ない媒体は、当然のことながら広告媒体としての魅力がありません。

マス的な広告の場合は、分母の大きさが勝負を分けます。
しかしながら、その部数を確保するためには、莫大な固定費がかかってくるのです。

今後、ニューズウィークを、印刷物として見ることができなくなるのは、非常に寂しいものがあるのですが、これも時代の趨勢。

アメリカでは、Amazonの書籍販売において、紙の書籍を、電子書籍が上回っているとのことです。

保存する需要の低いもの(週刊誌や新聞など)は、今後、電子書籍化して、印刷しないという流れになってくると思います。

このことは、単に媒体が変わるということだけでなく、業界の産業構造が変わることも意味します。

ニューズウィークを印刷していた印刷会社は、一気に何百万部という仕事を失うことになります。書店にも、印刷物としてのニューズウィークが並ぶことがなくなります。流通業者も、一気に仕事を失います。
メディアが巨大であればあるほど、そのインパクトは強大です。

アップルが、音楽の流通を変革したように、電子書籍は「印刷」と、それに絡む様々な業界の変革を余儀なくなさるインパクトを持っているといっても、過言ではないでしょう。

週刊誌イメージ